キャッシュレス社会
先日、kyashというアプリを友人に勧めた。
なんでもトライしてみるのは友人のいいところ。アプリをDLした。
ついでにその友人に支払う予定だったお金をkyashで渡した。
その後、逆にお金をもらう予定があり、kyashでもらった。しかし、足りない。
「クレジットカード登録したら残り払えるよ。」 そう、教えてあげた。
だが、残額はまだもらえていない。
クレジットカードの登録が怖いらしい。
2枚持つことが嫌でメトロのカードを作ったけど、都営地下鉄の定期とは一緒にできないということで結局は2枚持ちに。
それならsuicaでええやん、ということでsuicaをApplepayで導入した、という次第である。
財布を取り出す手間がない、というだけで、非常に便利である。
その便利さを伝えたく後輩に話をすると、なんとJRユーザーであり、suicaユーザーであるのに、iphoneを持っているのにApplepayにしていないと。
「だって、なんか怖いじゃないですか」
なるほど。しかし怖くないよ、と、魅力をたっぷり聴かせたところ、
今やその後輩は立派なApplepayユーザー。
「『あ、財布ない。席に取りにいかなきゃ。』という状況がないし考えなくてもいいのでとても楽です。」とのこと。
人間は未知のものは非常に怖がり、基本的に安定志向だ。
日頃使う定期券がsuica等の電子マネーに切り替わったことで初めてコンビニに端末が普及し、キャッシュレス社会に一歩近づいた。それによって一円や五円硬貨の発行総量はかなり減っているらしい。
インフラは正義である。
確かに未知のものは怖い。私も怖い。でも、意識的にそれは乗り越えようとしている。どれだけ最悪なことが起こったとしても、せいぜい数千円でしょ?クレジットカードが違法に使われても、保険適用で返ってくるし。
ということで、どんどんキャッシュレスが進んで欲しいと願ってやまない人の一人が私だ。
とりあえずsuicaでなんでも決済できるようにしたらええねん。
しかし、立ちはだかる壁は、電子マネー決済にかかる手数料。
手数料以上の効率化ができるところならまだしも、そうでないところや、売上高が大きいところにはキツイとのこと。
具体的には飲食店だ。
ランチに行ってもほぼ確実に現金支払いである。
先日越後湯沢に旅行に行ったのだが、越後湯沢駅内での店舗は、おみやげ屋さんであろうが飲食店であろうが、ちょっとしたコーヒーを売っている店舗だろうが全ての店舗でsuica決済が可能であった。これが非常に便利だった。ついつい使ってしまう。素晴らしい。まぁ、駅を出たらそうでもないのだが。
電子決済できない店舗は面倒やねん、という社会的圧力をかけ続けたい。
都内に住んでいるのだが、都内ではシェアサイクルが利用できる。地下鉄が通っておらず、バスでないと移動が面倒だったり、ちょっとした距離だったりすると、150円/30分(追加100円/30分)であり、地下鉄より安かったりするので、気軽に使える。
それもsuica対応だ。ピッてやればもう乗れる。便利。素晴らしい。もっと乗りたくなる。しかも電動自転車。スイスイ。
そういえば、最近、大学時代に所属していた団体で寄付を募っていた。銀行振込。うむ、古い。募っているのは数百円なのに振込手数料は数百円。アホかと。取りまとめしている友人にkyashを進めて送金したった。あと、polcaもやってもらった。個人間送金はまだインフラにはなれそうにもない。
閑話休題。
家の帰り道にゲーセンがある。そこで、半年前くらいからトミカを取り扱うようになった。子供が喜ぶので、取れそうな、とったら楽しそうな(カニクレーンとか、除雪車とか)ものがあったらチャレンジしている。先日、単純に取れそうなだけのトミカがあった。しゃあねぇな、チャレンジするか。財布を開くと小銭がない。常日頃からそれを目指しているので幸運な状態ではあるが、この時に限っては「しまった」と思ったね。
1000円札を両替して1−2回チャレンジすると100円玉8−9枚が手元に残る。そんなことが許されようか?(反語)
全く、ゲーセンこそがキャッシュレス化の恩恵を受けやすい業態だというのに、いつまでたってもキャッシュレス化しねーな。
そんなことを思って調べてみたら違った。
セガやコナミ、タイトーといったところが運営している店舗の中には電子マネー対応のゲーセンがあるらしい。
とはいえ、ゲーセンはハコものかつ初期投資が大きく、固定資産を減価償却していく業態。一度導入した機体は減価償却が完了するまでは置いておきたいし、なんならその後も使い続けてROIを高めたい。
となると、必然的に前からあるゲーセンは導入している可能性は低く、だからこそあまり見ないのであろう。過渡期の序盤ということか。
確実にキャッシュレス化の波はきているし、対応している店舗や業態も増えてきた。電子マネーの争奪戦は、ひとまずはsuicaの勝ちなのだろう。インフラ万歳。
fintechという言葉が出てきて久しいが、もてはやされていた頃に出てきた企業が、一般導入への舵を切り始めたのが最近ということなのかもしれない。
そのキャッシュレス社会に向けて抗うのは人間の「なんだか未知で怖い」という感覚。それはとてつもなく大事な感覚であり、ともすると私のような人間からは理解できないような感覚ではあるのだが、それゆえに見逃しやすい。
大多数の人間は普通に持っている感覚だということを忘れてはいけない。気にしなくていいのは、イノベーターとアーリーアダプターのみで、アーリーマジョリティですら持っている普通の感覚なのだ。
流行りを取り入れる感覚と同時に、流行りを怖がる感覚も遠目で意識しないければならない。
なんでもいいからキャッシュレス化は早くしてほしいんだけどね。